1.昨年度に引き続き、台湾の大学・図書館における当該資料の調査と整理を行なった。1950年代から1960年代前半を代表する詩雑誌である『現代詩』『創世紀』『藍星』については、50年代の創刊から60年代までを、現在データベースの作成とともに分析をすすめている。さらに『現代文学』などの関連する雑誌の調査を行っている。また、これも昨年度に引き続き、当該時期に活躍した文学者・詩人の詩集などの資料収集を幅広く行った。あわせて、同時期に活躍した詩人にインタビューを行うとともに、台湾の現代詩研究者との研究交流を行っている。 2.昨年度からの研究成果を加えて、日本側の責任編集委員として『台湾現代詩人シリーズ』の翻訳詩集出版を思潮社から企画し、3月中に初年度の二冊を刊行予定である(現在印刷中)。編集委員としては今後のシリーズ全体に関わるが、あわせて3月刊行分では『暗幕の形象-陳千武詩集-』を担当している。陳千武は、この科研課題の中心に位置する詩人の一人である。 3.昨年6月に台北で開催された「中日現代詩国際饗宴研討会」(台湾文学協会主催)に招聘され、講演・研究報告を行うとともに、詩人・研究者との交流を進めている(研究経費の旅費部分については、招聘されたために最初の計画との額の変動が生じています)。 4.来年度の日本台湾学会でのセッション企画の申請が採用され、「台湾現代詩のモダニズム」というセッション名で日本・台湾・アメリカの研究者との学会シンポジウムの準備をすすめている。
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