1.昨年度に引き続き、台湾の大学・図書館における当該資料の調査と整理を行なった。1950年代から1960年代前半期の詩雑誌の分析をすすめるとともに、『現代文学』『台湾文芸』などの関連する雑誌の調査を行っている。また、引き続き、当該時期に活躍した文学者・詩人の詩集などの資料収集を行った。あわせて、同時期に活躍した詩人にインタビューを行うとともに、台湾の現代詩研究者との研究交流を行っている。 2.昨年度からの研究成果を加えて、日本側の責任編集委員として『台湾現代詩人シリーズ』の翻訳詩集出版を思潮社から企画し、H18年度までに4冊を刊行した。そのうち、三木が編訳を担当して昨年度は『暗幕の形象-陳千武詩集』、今年度は『越えられない歴史-林亨泰詩集』の2冊を刊行した。陳千武・林亨泰は、ともにこの科研課題の中心に位置する詩人である。 3.平成18年6月に開催された日本台湾学会(一橋大学)で台湾現代詩の分科会を企画開催した(第2分科会越境するモダニズム-台湾現代詩の展望)。この分科会は、三木を含めた報告者論文4篇(三木、上田哲二、阮美慧、松浦恆雄)コメンテーター論文4篇(杜國清、陳明台、山口守、池上貞子)、及び討論によって構成されている。今回の科研費による研究の集大成も兼ねている。 4.上記の台湾学会での報告論文・コメンテーター論文をもとにして三木が編集を担当し、『現代詩手帖』平成18年8月号(思潮社)において「台湾現代詩」を特集した。
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