本年度は昨年度に続き、『朱文公文集』巻四に収める32首の五七言絶句(作品番号146〜177)、巻五に収める99首の五七言絶句(同178〜207)の解読、関連調査、会合による討議、訳稿の作成、という一連の作業を進めた。本研究組織の構成員(研究代表者1名・研究分担者1名・研究協力者5名)が作品ごとに分担して作業を行った。訳稿の体例は、書下し文・校異・解題(詩の内容の概要・作詩当時の作者の境遇・題材についての説明・作風上の問題点など)・通釈・語釈・補説、の各項から成る。会合はほぼ月1回、早稲田大学第一文学部の大学院演習室にて、4月5日(火)、5月7日(土)、6月4日(土)、6月25日(土)、7月16日(土)、8月19日(金)、9月16日(金)、10月29日(金)、11月26日(土)、12月24日(土)、1月23日(月)、2月15日(水)、3月17日(金)、の計13回行われた。3月17日(金)現在、決定稿が完成したのは、作品番号146、147、148、149、151、152、153、155、156、157、158、159、160、164、165、166、168、170、175、176、177の計21首、着手しつつ未だ決定稿に至っていないのは150、161、162、163、167、169、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、193、194、197、198の20首である。研究成果の公表は、別記の三点のほか、各研究協力者による以下のものが予定されている。上屋裕史「宋代における「希顔」の諸相」(東京学芸大学研究年報24号)、小島弘一郎「朱子の連作題画詩について」(東洋文化97号)、松野敏三「朱子の交友考」(論叢アジアの文化と思想14号)、曹元春「朱子と杜甫」(共立女子大学総合文化研究所紀要13号)。
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