研究課題
基盤研究(C)
本研究では、系統を異にするアジア諸語の語彙や文法構造の分析的な検討を通して、その地域的な類似性と差異、普遍的な認知意味構造を多量のテキストデータをそのために特化して開発した解析用計算モデルによって記述する。まず、1.言語類型論、比較語彙論的なこれまでの検討で蓄積した知見を整理し、それに基づいて、2.日本語や韓国語の電子テキスト及び南インド諸語のテキストデータから機械可読的なタグ付コーパスを構築する。語彙・文法構造を捉えるための解析ソフトウェアを開発し、対象とする多量のテキストデータから、系統的に異なる言語が地域的な接触によって語彙・文法の共有する状況、系統的、地理的に隔絶していながら東アジア・南アジアで類似の文法表現が発達するなど、ヒト言語に普遍的な認知構造を抽出する。なお、このような多量のデータからの結論を裏付けるために、近年、われわれが脳科学研究者らとの共同研究で手がけている機能的核磁気共鳴画像法(fMRI)による母語の異なる話者の文法現象の脳内表象観測データを用いて、実験的に現象の地域性と普遍性を裏付ける。複雑に言語の系統が入り組んだ東アジアおよび南アジアの言語を研究する過程でアジア言語の語彙、意味構造に現れる地域性と人間の脳から生成される言語表現である故の普遍的認知意味構造の関係について研究を進めた。本研究は、われわれがこれまで共同または単独で行ってきた、比較語彙、認知意味、文法化現象、言語間借用、コーパス解析技術、自然言語処理などにおける言語の対照研究の分析を学際的な方法論を用いて拡充させることにより、語彙・文法構造の言語普遍的側面と言語個別的側面を体系的に捉えようとしたものである。
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