研究課題
主に郵送法によるアンケート調査を継続した。郵送法によるアンケート調査によって得られた資料は世界の都市×語形の二次元配列とし、都市のスペイン語の多変量解析を行った。語彙バリエーションの様相は語彙の地理分布を数量化した二次元マトリックスで表現されるが、これは客観的である反面、現地の実状を捨象したデータとなり、そのままで語彙の実態を反映することにはならないので各語をコンテキスト(文脈)とシチュエーション(状況)の中に位置づける必要がある。前者へのアプローチにはコーパス言語学の手法を用い、後者には写真や動画を用いた視覚的語彙集の作成が必要である。このようにインテンシブな現地調査とエクステンシブなアンケート調査を繰り返しながら世界で70名を越す参加者と連携し年度毎のプロジェクトを推進させた。アンケートの質問事項は一般の方言調査と類似して、一定の意味に対応する語形を問うものである。ここからクラスター分析などの多変量解析によって、難題とされていた語彙による方言区画にも一定の精度の量的分析が可能となった。上田は、前年度にフランス・パリ在住の赤道ギニア共和国の人々を対象に実施したアンケートとヒアリングの分析結果をCongreso internacional de Hispanista en Asia、 Centro Cultural Espanol de Malabo、 2006/7/12において発表した。上田・ルイズは、研究プロジェクトの概要、多変量分析、自動言語地図作成、およびデータベースに関する本研究の現状と将来の構想について、4th international Conference on language Variation in Europe、 Univertiy of Cyprus、 2007/6/19において発表した。上田(2006)、高垣(2007)は、それぞれスペイン語辞書の編纂において本研究の成果を取り入れた。
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