研究概要 |
主に文献調査と郵送法による継続的なアンケート調査を行った. 文献は年近の先行研究と報告資料を集めた. アフリカ,赤道ギニアのスペイン語の実態を調査し、成果を発表した. アンケートの質問事項は一般の方言調査と類似して,一定の意味に対応する語形を問うものであり,とくに人権及び利益の保護の取扱いに注意を要する内容にはならないが,慎重を期して発表する際には個人名は伏せた.ここからクラスター分析などの多変量解析によって,難題とされていた語彙による方言区画にも一定の精度の量的分析が可能となった. 調査項目はこれまでの1400番に続く200項目である. アンケート調査によって得られた資料は世界の都市×語形の二次元配列とし,都市のスペイン語の多変量解析を行った.語彙バリエーションの様相は語彙の地理分布を数量化した二次元マトリックスで表現されるが,これは客観的である反面,現地の実状を捨象したデータなり,そのままで語彙の実態を反映することにはならない.よって各語をコンテキス(文脈)とシチュエーション(状況)の中に位置づける必要がある.前者へのアプローチにはコーパス言語学の手法を用い,後者には写真や動画を用いた視覚的語彙集の作成が必要である. このようにインテンシブな現地調査とエクステンシブなアンケート調査を繰り返しながら世界で70名を越す参加者と連携し年度毎のプロジェクトを推進させた.
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