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2005 年度 実績報告書

日本呉音の母胎方言に関する-探索-呉語との比較

研究課題

研究課題/領域番号 16520243
研究機関愛媛大学

研究代表者

秋谷 裕幸  愛媛大学, 法文学部, 助教授 (10263964)

キーワード日本漢字音 / 呉音 / 基礎方言 / 呉語 / 中国語 / 処衢方言群 / 母胎方言
研究概要

今年度が最終年度となる本研究の目的は「日本呉音の母胎方言がいかなる古代中国語方言であったかをshared innovation(共有される改新)に基づき検討し、六朝期の呉語がその有力な候補の一つであることを言語特徴から実証する」ことであった。日本呉音と比較する呉語のデータは、呉語処衢方言群及び〓州方言群とも本研究の経費による補充・チェック調査を行い、ほぼ万全の状態にもっていくことが出来た。この点は当初の研究計画通りだった。それと平行して当初の目的を達成すべく、呉語諸方言と日本呉音の比較研究を進め、とりわけ之韻及び山攝合口一等韻については綿密な検討をした。それらは成果報告書に掲載した通りである。しかしながら、こと厳密にshared innovationに基づき両者を比較した場合、当初の見込みとは逆に、呉語が日本呉音の母胎方言であるとは必ずしも言えない現象のあることが見いだされてしまった。正式に公刊された論文「呉語処衢方言中三等字読作洪音的現象」の第七章では介音iの脱落が呉語諸方言と日本呉音で平行することを述べ、それが呉語こそまさに日本呉音の母胎方言であるとの最重要根拠と私は考えていた。しかしながらもっとも厳密な立場にたった場合、この特徴も決定的とは言えないことが見いだされた。このあたりについては成果報告書に掲載した「日本呉音と中国語南方方言の比較に関するいくつかの問題-呉語との比較を中心に」に記した。このように「呉語こそ日本呉音の母胎方言である」ことを実証するまでには到らなかったこと及び「中古音-日本呉音-呉語処衢方言(西北片)祖語対照表)が未完成であることを遺憾とする。しかしながらデータの蓄積と方法論的考察については相当の進展があった。今後もさらなる検討を続けたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 呉語処衢方言中三等字読作洪音的現象2005

    • 著者名/発表者名
      秋谷 裕幸
    • 雑誌名

      漢語史研究:紀念李方桂先生百年冥誕論文集(《語言曁語言学》専刊外編之二)(中央研究院語言学研究所/ワシントン大学)

      ページ: 307-339

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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