現在データ分析・集計中である。研究内容は以下の通りである。 1.資料 日常の自然な環境による資料である。資料収集は指導を受けた養育者(母親)が収録した。各児の表出語彙の偏りを防ぐため、場面統制した。基本的には機嫌がよく、声がよく出る場面として、遊び(一人、母児)、食事・おやつの前後、入浴後、就寝前を含むものである。収録は、10カ月から24カ月までの毎月1回90分をめやすに行った。研者は、月1回家庭を訪問し、発達をチェックすると同時に母親から聴取した。2名に関しては参考資料として録画および保育園連絡ノートからの情報を得た。 (1)5名の初期言語期4期(初語期、10単語期、30語期、50〜60語期)の経時的資料 (2)2歳〜6歳児の関東・関西における横断的資料 2.分析方法 音響分析的手法によるピッチ分析 資料1:自発語および模倣語(母児比較)におけるアクセント分析 資料2:同音異義語を含む絵カード使用による10単語のアクセント分析 3.結果・考察 初期言語期の韻律の特徴と2歳児以降の幼児期における韻律特徴を参考資料として検討する。 4.総合考察 以上の韻律分析の結果は、同資料による音韻分析(2004)とあわせ、(1)語の分節的特徴と超分節的要素は一体で獲得されるのか、(2)分節と超分節要素は時期的に差がみられるのか、(3)語彙の獲得時期による特徴(4期過程)、(4)個人差等の問題に関して検討し、考察する。
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