本年度は、「平安鎌倉時代における儀軌・次第訓点資料の漢文訓読語史的研究」の課題の下に、研究計画最終年度を迎え、以下の通り実施した。 1)従来から、また、本研究においても、近畿地方の寺院の経蔵に納められている平安鎌倉時代の儀軌・次第訓点資料の原本調査を行ない、蓄積を行なってきた。これら手許に集積した資料のうち、特に、儀軌資料に関して、その訓読の展開の当初の有り様、また、平安時代も、中期と院政期の資料を取り上げて、平安中期においても、訓読語の伝承的側面があること、逆に、院政期の資料においても訓読語の改変の実態があることを、「儀軌の訓読語と加点」論文に纏め、「平安鎌倉時代における儀軌・次第訓点資料の漢文訓読語史的研究」基盤研究(C)研究成果報告書に登載し、公にした。 2)儀軌・次第訓点資料の資料性の問題として、関係僧侶の言語集団等のおける属性が問題となるが、「僧名露視稿(二)」として、「野澤血脈集」を取り上げ、前年度に続いて、今年度も、僧名・房号等の索引を作成し、整えて、「平安鎌倉時代における儀軌・次第訓点資料の漢文訓読語史的研究」基盤研究(C)研究成果報告書に登載した。また、同成果は、以下のホームページに、既に公開済である。 http://home.hiroshima-u.ac.jp/mmatumo/ http://web.mac.com/mmatumo/
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