研究概要 |
平成18年度の研究成果としては、次の3点が挙げられる。 [1]九州方言の形態音韻現象の記述 [2]九州方言の形態音韻現象の理論的研究 [3]構成的アプローチの試験的構築 まず[1]においては、九州方言、特に長崎県方言を中心とした形態音韻現象の実地調査、及びその記述を行った。これらの記述の一部は学術論文として結実している。また、実地調査で収集したデータは、音声ファイル及び文字データベースとして蓄積している。 次に[2]に関しては、[1]で記述した形態音韻現象を、従来の言語学(方言学)の観点からだけでなく、生物学的な観点を導入して理論化している。 最後に[3]に関しては、[2]での理論をコンピュータに実装させている。ここでは、形態音韻現象を構成する多様な要素を数値化し、それを様々に変えることによって、形態音韻現象を「創発」させることのできるシミュレーション・プログラムを開発している。 [2],[3]の研究成果については、研究成果報告書『方言研究の構成的アプローチの試み-九州方言の動詞テ形・タ形における形態音韻現象-』として結実している。
|