研究課題
基盤研究(C)
言語は音列が時間の順に展開する1次元的存在であるのに対し、文字は平面図形であり2次元的存在である。言語が持たないもう一つの次元に文字表記独自の世界が広がっている。この世界まで見てゆかなければ文字表記の全貌を捉えたとは言えない。本研究では、文字列が書かれる平面(紙媒体では紙面、電子媒体ではディスプレイの画面など)と文字列との関係を、平面における文字列の「方向」と「位置」という二つの面から研究した。1.文字列の平面に対する「方向」が持つ機能について研究し、次の点を実証した。・前近代の地図、絵図などでは、文字列の配置される方向が、さまざまな情報(表記される対象の正面性や序列、運動の方向、空間の非対称性)を担っていたこと・呪符(お札)などでは、通常の方向を逆転させ上下逆にすることが非日常性の表示(呪力を強める効果があるとされる)となること2.文字表記の平面上でのまとまりの単位として「ブロック」を設定し、・ブロックがいくつか組み合わさり、きまった順序で読まれる「ブロック複合体」の諸類型を発掘した。・見出し、ヘッダー、目次など、「機能ブロック」(特定の機能を持つブロック)の発達・展開の歴史を明らかにした。
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Qfinityの広場 (電子ジャーナル)
QFINITY NO HIROBA
国文学解釈と教材の研究 50-5
ページ: 78-88
KOKUBUNGAKU vol. 50, no. 5
d/SIGN 8
ページ: 88-91
d/SIGN no no. 8