研究概要 |
本研究の目的は,日本語母語話者や非母語話者がストーリーを持った内容を日本語で語るときに,ストーリーの中のエピソードや場面など内容的な談話のまとまりを表す「話段」がどのような手段によって示されているかを明らかにすることである。書きことばにおける「段落」に当たるような内容のまとまりが,話しことばにおいてはどのような形で表されているのか,言語表現,イントネーションやポーズなどの音声的な特徴,身振りや視線などの非言語行動などの観点から分析を行っていく。 《平成17年度の研究実績》 1.談話データのデータベース作成 日本語母語話者による談話データと非母語話者による談話データのデータベース作成のために,談話データの文字化を行い,イントネーションやポーズに関する情報も記述した。 2.話段区切り調査 録画・録音された談話をインフォーマントに見せて,どこに内容のまとまりの区切りがあるかを尋ねる調査を5回,約170人を対象に行った。 3.研究発表 談話の内容的なまとまりと関連の深い助詞「は」の使われ方について,また,くりかえしと談話のまとまりとの関連について談話データを分析し,その成果を論文や学会での口頭発表として公表した。
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