アンケートの質問にこたえる形式で、日本語を母語としない学生に実際に日本語を自由作文、キーボード入力させ、その過程(起動中のパソコンの画面)をDVDに録画した。DVDを再生して、入力訂正ごとに1データとしてデータベース化した。さらに日本語学習に関するビリーフを調査するために、面接をし、録音したMDを再生してテキスト化した。入力訂正の傾向と日本語学習に関するビリーフの相関をしらべるための基礎データを集積中である。 今年度は、おもに東京外国語大学と愛知県立大学で年間を通じて45名の学生のデータを収集した。そのうち、中国からの帰国者4名、日系ブラジル人1名、中国籍の二言語話者6名である。 中国帰国者のデータは、科学研究費による先行研究から通算して、15名分になった。低年齢で来日した者の日本語運用の傾向をしめすデータとしてつかえるだけの量に達してきたとおもわれる。 二言語話者についても、中国の朝鮮族とモンゴル族のデータの集積がすすみ、二言語話者と単一言語話者の相違のほかに、朝鮮語・漠語話者とモンゴル語・漠語話者の相違も観察の対象となりうることが予想される。 先行研究から通算したデータは、総計463名分になり、さまざまな視点からの研究の素材としてつかえるようになった。 1月に熊本県立大学に出張して、中国と韓国の留学生のデータ収集をおこなった。 3月にイタリア日本語教育学会第3回日本語・日本語教育学会で、研究成果の一部を発表した。
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