研究概要 |
1.ライティング評価の先行研究の整理と評価の妥当性の検討 (1)日本語と英語のL2ライティングの評価基準の整理と検討を行い,「日本語と英語を目標言語とするライティング評価基準の展望:第二言語としてのライティング評価基準の作成にむけて」を執筆した(田中・長阪)。 (2)ライティング評価の基礎研究として,日本語・英語のジャンル・モードの定義が確立していないことを指摘した(AAAL, Colloquium : Reexamining Theories of Discourse Types : Matsuda, Discourse Classification in Contrastive Studies of Writing. Tanaka, Conflicts of modes in Japanese L1 and L2 writing scholarship)(第50回第2言語習得研究会講演「ライティング研究におけるモード(mode)の問題について」:田中) 2.L1によるライティングとL2のライティングの検討 L1(日本語)の作文評価表(Sasaki & Hirose 1999)をL2の評価で使うことは難しいと予備調査で分かったので,交付申請書の調査計画は,L2の評価表を直接開発することに変更した。 3.学習者のライティング評価の理解についての調査・研究 教師の行うライティング評価を学習者がどのように把握しているかを調べるために,自己評価,教師評価についての調査を行った。AILAにおいて"How do ESL and JSL students understand teachers' writing assessment?"を発表予定(長阪・田中,2005) 4.日本語・英語のライティングの「プロンプト」(課題)の開発・検討 調査に使用するライティング・プロンプトを開発し,その作成上の問題点を検討した(田中・長阪・菅井) 5.日本語・英語のWritingの「評価表」の開発・検討 初級修了レベル以上を対象としたアカデミック・ライティングの評価表(Multiple trait)を開発中である。第1段階として,日本語学習者40名の2つのモード・ライティングの評価を田中・長阪・菅井で行った。現在,評価表のルブリック,サンプルを作成している。今後,第2段階,第3段階の調査を予定している。
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