研究概要 |
1.第二言語としての日本語のライティングの評価基準・評価表の開発 (1)平成16年度より行っているライティング評価基準の作成過程(途中経過)について,「第二言語としての日本語ライティング評価基準とその作成過程」を執筆した(田中・長阪)。 (2)トレイト別・評価基準を検討,修正し,研究者4名で2種類のプロンプトの作文(延べ160枚)を評価した。 (3)研究者4名における評価者間ミーティングを行い,評価のずれを検討し,レベル別・評価基準を修正した。 (4)上記作文から,レベル別・サンプル作文(各プロンプト3枚)を選び,その解説を作成した(全員)。 (5)国立国語研究所日本語教育短期研修において「作文採点者間ミーティングの運営と教育現場での実践について」を企画し,ライティング評価基準の使用方法や作文採点者間ミーティングの方法についての研修を行った。また,参加者にライティング評価についてのアンケートを実施した(全員)。 (6)上記研修参加者から協力者を募り,開発中の評価基準を使用しての作文評価(26枚×2種類)を依頼した。 (7)今後,上記協力者(8名)から回収された作文評価を,(a)評価者内の要因,(b)評価基準における要因,(c)評価における個人的な要因等の観点から分析する予定である。 2.学習者のライティング評価の理解についての調査・研究 (1)ライティングの自己評価,教師評価について学習者からフィードバックをもらい,AILAにおいて"How do ESL and JSL students understand teachers' writing assessment?"を発表した(長阪・田中)。 (2)第二言語習得研究会全国大会,シンポジウム「四技能の習得と指導」において「書く:フィードバックは教師の徒労か?」と題し,学習者からの評価に対するフィードバックも含めて提言を行った(田中)。 3.ライティング・プロンプトの開発の整理 評価者間ミーティングに使用するための「プロンプトの解説」を検討,修正した(全員) 4.ライティング評価について (1)「日本語教育におけるライティング評価について」(『日本語教育年鑑2005年版』)を執筆した(田中)。 (2)「パフォーマンス評価-記述能力をどうとらえる-」(日本語教育学会秋季大会シンポジウム)において,日本語教育における「読み手」の視点の欠如を指摘し,マルチプル・トレイト評価表の提案を行った(田中)。
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