研究概要 |
中国出身現職日本語教師を日本語教育研究者として養成するための方略を探る第一歩として,今年度は,これまで養成現場に関わってきた研究代表者と分担者が,その過程でインフォーマルに収集してきたデータの整理を中心に作業を行った。 主に実施したのは,これまで日本語教育研究者養成大学院コースで行われてきた学生に対するインタビューをデータとして整理することである。中国語によって行われている部分もあるため,研究補助者によって文宇化した。まだ整理の残っている資料もあり,来年度も引き続き研究補助者によって文字化を行う。なお,文字化資料は電子化し,来年度以降,分析の枠組みを検討したのち,分析を進める。 また,新たに今年度行った調査は以下の通りである。 (1)大学院コース学生に対し,学生の母語を用い,フォーカスグループインタビューの手法を用いたインタビューを行った。結果については現在整理中で,来年度分析を行う予定である。 (2)大学院コース学生が自らの研究のプロセスをどのように意識しているかということを「研究認知」として概念化した。そして,はじめて研究論文を執筆する学生たちの研究認知がどのように変化していくかを追跡調査し,社会構成主義の手法に学びながら分析した。そして研究者養成の初期指導がいかにあるべきかについての提言を行った。なお,その成果はすでに篠崎・濱田(2005)として公刊した。
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