研究概要 |
1.協働志向の教育実践・実践研究の実態調査およびデータベース化 過去20年間に刊行された主要な学会誌・研究会誌・紀要・研究大会予稿集から,協働志向の教育実践・実践研究を収集し,「協働」の定義,「協働」のタイプ,活動の種類,扱う言語技能,対象学習者の日本語レベル,研究方法,データ収集法,分析手法などを観点に一覧を作成した。あわせて,協働志向の実践及び研究と対比的に分析するため,「協働」をうたわない教育実践・実践研究も収集した。収集・情報付与した文献は217件。実践研究に関するデータベースとしての利用価値を高めるため,要旨がついていない文献には,すべて,要旨を作成した。 教育の実態を把握するために,学会誌等だけでなく,教育実践が報告されている,民間日本語教育機関の紀要等も対象とした。 2.教育実践の記録・記述・分析 第2年次の本格実施のために,予備段階として,それぞれの実践研究の場における教育実践の記録法について討議し,試行した。特に,実践研究者(現職教師)と実践研究支援者(研究者)が協働して教育実践の記録・記述・分析を行う方法,現職者が実際に日々の授業の中で実施することが可能な範囲のビデオ撮影,音声録音を用い,学習者の行動および発話を集中して記録する方法と,授業後に学習者および教師の語りを記録する方法を別々の現場で試行した。 教室における相互交渉の分析に用いられるカテゴリーシステムを教室活動に応じて改良し使用するため,授業分析を行った。また,授業分析用ソフトウェアに関する情報を収集し,利用可能性を検討した。
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