研究課題/領域番号 |
16520364
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
竹内 理 関西大学, 外国語教育研究機構, 教授 (40206941)
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研究分担者 |
小山 敏子 大谷女子短期大学, 海外コミュニケーション学科, 助手 (20352974)
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キーワード | 携帯型電子辞書 / 学習効果 / 処理の深さ / 検索行動 / 辞書検索方略 / 学習方略 / 電子辞書 / 英語教育 |
研究概要 |
本年度は、携帯型電子辞書の「学習効果」の実証的検証に重点をおきながら研究を進め、その成果を国際学会1回、全国大会2回で発表し、Proceedings(英文)および大会発表論文集用(和文)に論文化した。また、成果の一部を、国際雑誌を含む2誌に投稿し、現在審査結果まちの状況である。これらに加えて、先行研究のレビューのため、学内紀要用に英文論文を1編発表した。 本年度の実証研究の主要な成果は、以下の5点に要約することができる、つまり、日本人大学生英語学習者(中級、初級)を対象とした場合、 1)携帯型電子辞書を利用した場合、単語の再認率が、若干ではあるが、さがる傾向が認められる 2)その理由は、情報処理の深さと関係する可能性がある 3)携帯型電子辞書を利用した場合、単語等の検索頻度は(統計的にみて)有意に上昇する、 4)また、電子辞書を利用した場合、既知の単語でも確認のために検索する傾向が顕著に認められる、 5)にもかかわらず、英文の内容理解得点は、検索頻度に比例する形では向上しない。 これらの研究成果をうけて、研究発表や論文等では、情報処理の深さを深めるためのタスクの必要性と、検索回数の増加を理解の向上につなげるための「検索行動」について、教育的示唆を提示した。 また、上述のタスクに関する研究にも着手しており、その成果として、 6)検索した単語の意味にあう例文を同時に確認するようなタスクでは情報処理の深さは向上しない、 7)タスクそのものよりも、タスクの中で利用する「検索行動」に処理の深さは関係する ということがわかった。次年度では上級学習者のとる「検索行動」に研究の重点を移しながら、電子辞書利用についての考察を深めていく予定である。
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