2004年11月教育資源部と国立中央図書館を訪ねて資料を収集した。前者からは第7次教育改革の資料を得たが、第8次教育改革の資料はまだ準備中とのことで得られなかった。7次と8次の違いを訪ねたところ実用英語を推し進める方針は変わらないとのことだった。図書館ではソウル以外の地方都市でどのように英語の教員養成がされているかの資料を得た。大量の資料なので現在まとめているところである。この期間中に開催されたアジア英語教育学会では分科会のうち2つの韓国英語教員養成についての発表が興味深かった。 小・中・高の教科書はどのように変化するかについてはわずかに「書くこと」を取り入れ始めているのは1昨年のLee教授の話からも推測されたが、第8次教育改革の全容が出ていないので不確定である。 英語教育を通して「創造性」と「批判思考」を培う教育は可能かについてはKorean Education 2004では「創造性ある人間」の育成を教育目標に掲げているように思われる。「創造性」という抽象的概念を具体的に教育の場にどのように導入していくかは韓国の文献を見てもはっきりとは分からない。「批判的思考」については1昨年度のアジア英語教育学会でシンガポールの大学教授が述べられていたが韓国の文献にこの言葉を見つけることは今のところ出来ていない。 韓国教員の日本でのモデル授業については韓国の知人の小学校教員が1人はアメリカの大学院に留学し、1人は博士課程に入り研究に忙しいために実現できなかった。 最後に、韓国は8年間小学校での必修英語を行ってきた。軌道修正が第8次改革でどのようにされるかは非常に興味深く未だ始まっていない日本の小学校英語教育には有益な示唆を与えると思われる。
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