高等専門学校(以下高専)の学生に焦点を当て、学生が求められる英語力を習得するのに適した英語学習教材の開発のあり方を研究してそれに基づく教材を開発するという目的の下、2年目となる本年度は以下の調査研究を行った。 1 本研究担当者が過去に開発した教材、及びその開発過程を再検討した。また、先行文献の成果や海外の事例を参考に教材開発のあり方をシステム化する準備を行った。そのために海外協同研究者との意見交換を通じて、アジア、特に韓国の教材の現状や開発のあり方を調査し、韓国の英語教科書の収集を行った。 2 高専の学生に求められる英語力を把握するために、JABEE(日本技術者教育認定機構)や編入先大学等が求める英語力の内容を調査した。そして、これらへの対応にとどまることなく、学生の生涯学習に必須である情報収集の能力や、仕事の上で必要となる、専門分野に関するプレゼンテーションの能力を養うのに資する英語力の習得が必要であると考えた。そこで、研究担当者の高専専攻科において、学生が読解用素材を自ら選定し、内容を調査し、英語のレジュメ集を作成し、英語でプレゼンテーションをするという授業を展開し、並行してこのようなプロセスを実現できるESP教材の開発を検討した。 3 大学教養課程および高専高学年学生のための教材Nature and Scienceを開発した。この教材の特筆すべき点は1)読解用素材の選定や解説の執筆に際し、学生の意見を参考にした、2)執筆のみならず、書籍の形をとるまでのすべての段階の編集で本研究担当者が関与し、教員と学生の双方にとっての使いやすさの向上を図った、などである。
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