研究課題
基盤研究(C)
本研究は、12世紀〜14世紀の日本列島南西部における交易や流通の展開を、拠点的地域の調査・分析を通して考察しようという目的で行われた。本研究の根幹をなす現地調査は3年間で5回、万之瀬川下流地域・奄美諸島・大隅半島西部(鹿児島県)、都城市(宮崎県)、福岡市・福津市(福岡県)、長崎市・松浦市・島原半島(長崎県)・下関市(山口県)で実施した。いずれにおいても地元教育委員会の文化財担当者、博物館学芸員等にご案内・ご説明をいただき、有益な資料(発掘成果報告書・伝承・史料等)、情報を得ることができた。拠点地域の研究は、上記調査結果も踏まえ、鹿児島県万之瀬川下流地域、「唐坊」(中世前期の外国人居留地)所在地については、一定の前進を見た。ただし、日本列島南西部全域にまでは及ばなかった。とくに南西諸島の研究を進展させることが今後の課題である。また、研究の進行につれて、当初予定していなかった日本列島南西部と北東部との比較という観点が強まることとなり、その面ではかなりの成果を出せたと自負している。こうした結果、印刷発表した研究は、論文等6本である(このほか成果報告書に新稿2本を載せ、印刷中のものが1本ある)。口頭発表は、海外で行うことができたのが収穫であった。データベースとしては、中世南九州の交易拠点関係文献リストを作成した。本研究で専用ホームページを立ち上げており、研究期間終了後も存続させて、情報を発信したい。
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すべて 雑誌論文 (10件) 図書 (2件)
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