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2004 年度 実績報告書

室町・戦国期の符案に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16520383
研究機関東京大学

研究代表者

末柄 豊  東京大学, 史料編纂所, 助手 (70251478)

キーワード符案 / 綸旨 / 口宣案 / 宿紙 / 岩瀬文庫 / 広橋家 / 門跡寺院 / 紙背文書
研究概要

本年度の最も重要な課題は、符案の調査・収集であった。まず、東京大学史料編纂所架蔵の原本・副本類にもとづき、符案の所在情報の整理をすすめた。特記すべきは、近年新たに写真帳が架蔵されるに至った広橋家現蔵史料のなかに、室町前期から江戸初期に至る多数の良質な符案を見出すことができたことであろう。この作業をすすめるなかで、符案によって発給されたことが知られるにもかかわらず、原本の残存していない文書の比率がきわめて高いことが知られ、符案という史料に特有の利点を再認識するに至った。
つぎに、多数の符案を所蔵する京都大学・岩瀬文庫(西尾市立図書館)について、それぞれ複数回の出張を行い、符案および関連史料について原本調査を実施した。また、宮内庁書陵部所蔵の符案および関連史料についても、紙焼き写真の入手をはかった。
符案の分析については、広橋兼秀・柳原資定・中山孝親・松本宗綱など室町期の複数の廷臣が作成した符案の釈文を作成することで、それぞれの特性と共通点とを解明することにつとめた。その結果、例えば、口宣案のような文言の単純な文書であっても、家ごとに独自性の存在する事例を見出すことができた。また、最も豊富な情報量を有する符案だと考えられる宮内庁書陵部所蔵『宣秀卿御教書案』のうち、口宣案の控えである第三冊について、人名・官職名の索引化をすすめた。あわせて、二次利用面と連関の深い紙背文書の釈文を判読し、口宣案の具体的な発給過程を追求した。
このほか、符案と関わりの深い綸旨・口宣案などの関連史料を多く架蔵する陽明文庫・龍門文庫および門跡寺院(勧修寺・毘沙門堂)などの各所について史料調査を行った。そのなかで、符案の料紙に用いられることの多い宿紙についても考察を深めることができた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 寺院・検断・徳政-戦国時代の寺院史料を読む-2004

    • 著者名/発表者名
      (共著)末柄 豊
    • 総ページ数
      438
    • 出版者
      山川出版社

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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