研究課題
基盤研究(C)
近世民衆の社会的結合意識として、重要なものに頼みにともなう社会的結合と意識がある。頼み関係は、中世では主従制を形成する重要な要素であった。近世初期でもこうしたものは継承されているが、大きく内容を変えていく。本研究は、その基礎にある社会的結合と社会意識の変化を検討するために史料収集を行った。まず平成8年以降に出版された自治体史史料集を網羅的に検索して頼み証文を収集した。作業は主として明治大学図書館所蔵の自治体史史料集を中心に行った。またその結果得られた頼み証文をデータペース化した。データペースは全体で829件に及んだ。この内今回新たに追加したものは208件であった。頼み証文が成立・展開したのは東国であるという主張が確認される結果となった。その基礎には小百姓の自立にともなう社会的結合と意識の変化があった。また頼み意識では、戦国期から近世中期にかけての古典文献などから、頼み意識にかかわるデータを集積して整理した。頼み意識についてもやはり、戦国期から近世中期にかけて大きな変容があったことが窺える結果となった。報告書には、これらの内から主要なものを選択して、近世の頼み意識史料、頼み証文、頼み証文データベースとして収録して公表した。
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すべて 雑誌論文 (6件)
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