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2004 年度 実績報告書

昭和十年代における郷土研究の体制化

研究課題

研究課題/領域番号 16520396
研究機関早稲田大学

研究代表者

鶴見 太郎  早稲田大学, 文学学術院, 講師 (80288696)

キーワード郷土 / 民俗学 / 柳田国男 / 橋浦泰雄 / 民間伝承の会 / 郷土誌
研究概要

昭和10年代における「民間伝承の会」の実態を知る上で、「橋浦泰雄関係資料」の細かな整理に多くを費やした。まず(1)事務的書類(チラシ、ノート類、覚書など)、(2)地方研究者からの来信に大別して、(1)は資料別、(2)は人物別にファイルしてそれぞれエクセルに入力し、データベース化した。(1)については保存データとともに、2004年11月8日に、鳥取県立図書館へ発送された。(2)については2005年夏に作業を完了し、同様に保存データとともに鳥取へ発想予定である。この作業と並行して重要と思われる地域・人物資料については、新たにスキャナーを購入してこれを複写した上で、地元を含む他の資料との照合を行った。
これらの調査から、(1)柳が国男が中央からの組織化をはかる前に、幾つかの地域では明治末から大正初期における官製の郷土顕彰とは一線を画した自主的な郷土研究が実施されていたこと、(2)その担い手たちによって柳田の民俗学は主体的に選び取られたこと、(3)その意味で強い個性のある郷土研究者を擁した地域では柳田受容以前との連関を保った創意ある活動を行ったこと、などが判明する。その中でもとりわけ顕著な事例として、「民俗画家」橋浦泰雄を菅江真澄の系譜に連なるものとしてその活動を高く評価し、数回にわたって絵画頒布会を開くなどの事業を行った信州東筑摩郡を取り上げ、「"その場所"に託す-東筑摩郡と柳田国男-」(『季刊 東北学』2004年11月)にまとめた。
以上の調査によって、従来主張されてきた地方研究者に対しトップダウン型の指導を行う柳田国男像は修正の余地がある点を確認した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] "その場所"に託す-東筑摩郡と柳田国男-2004

    • 著者名/発表者名
      鶴見 太郎
    • 雑誌名

      季刊 東北学 第一号

      ページ: 102-111

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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