研究課題/領域番号 |
16520398
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
青山 幹哉 南山大学, 人文学部, 助教授 (20211691)
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研究分担者 |
松島 周一 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (10212218)
永井 英治 南山大学, 経済学部, 助手 (60373073)
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キーワード | 日本中近世史 / 事実としての歴史 / 再構築された歴史 / 武士の家系伝承 / 尾張 / 三河 / 敗者の復活 / 貴種流離 |
研究概要 |
1、本年度は、「康富記」から15世紀の尾張・三河部の記事を検索するなど、古記録からの史料収集を行う一方、太田亮氏の『姓氏家系大辞典』を基礎とした尾張・三河の武士氏族についての一覧データベース(Access版)を作成し、尾張・三河武士の分布・量的把握を行い、現段階までの史料収集の状況についても確認した。ただし、すでに尾張・三河全域にわたる考察は実行困難となってきたため、南朝伝説と貴種流離譚については広域的な把握に努めるものの、個別事例の検証については、対象を尾張国北部、高橋郡、三河国碧海郡などに絞ることにした。 2、南北朝期から戦国期に至る尾張・三河の政治状況については、同時代史料による検討を進めたが、中世後期における史料の少なさは如何ともしがたく、近世武士の家伝と直ちにリンクすることはできなかった。ただ、近世系図・由緒等からみた「再構築された歴史」は、神話的要素を排除しつつも、氏族の盛衰になにかしらの因果関係を与えるなどの規則性があり、そこに近世的な歴史認識のパターンを見いだすことができる。
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