本年度は、昨年度に引き続いて、石川県金沢市立玉川図書館近世史料館所蔵「松雲公採集遺編類纂」所収「石清水八幡宮旧記抄」(下)の「古文書施行案」について、解題を付して、平安末期から南北朝期の古文書一三六点の全文を翻刻した。 あわせて研究代表者が代表する研究会「石清水八幡宮関係文書を読む会」のなかで、天理大学図書館所蔵「石清水文書」の調査、目録の作成、翻刻作業を推進した。その成果は、『白山史学』第四三号(二〇〇七年四月)に掲載される予定である。 本年度は、これまでも調査・研究の成果をまとめて、本報告書を作成するために、石清水八幡宮や膝下の「八幡」への現地調査も実施した。さらに、「古文書施行案」所収の石清水八幡宮領関係史料のなかでも、ほとんど調査がなされていない丹後国(京都府)の荘園に関する現地調査を実施した。 なお、本年度における研究代表者の研究成果は、論文「一五〜一六世紀における地域社会の変動と寺社」(『歴史学研究』八二〇号、二〇〇六年一〇月)、「戦国都市『淀六郷惣中』と石清水八幡宮寺」(『日本歴史』七〇八号、二〇〇七年五月)、学会報告「一五〜一六世紀における地域社会の変動と寺社」(歴史学研究会大会中世史部会、二〇〇六年月)、「神国論の系譜」(神道宗教学会大会学術シンポジウム基調講演、二〇〇六年一二月)、以上である。 今後も本研究の成果を即時に公開することに努めていきたいと考えている。
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