本年度は、研究開始の初年度にあたるため、資料調査・収集などの基礎的作業を中心に行った。本年度は以下の3点を重点的に行った。 (1)東京府農業資料の調査 東京都公文書館の文書資料の収集を重点的に行った。特に、明治26年、三多摩地方が東京府に移管された以後の資料を収集した。そのほか、東京都立中央図書館では、東京室で都内各自治体史などを調査した。渋沢史料館では実業関係資料、神奈川県立歴史博物館では、近世農具や錦絵を調査した。国会図書館において、最近では近代デジタルライブラリーの充実により、明治時代の貴重な著書がデジタル化されて公開されているが、著作権の問題により、未だ公開に至らない資料も多い。今回は『大日本農会報告』など農会関係の資料を調査し、複写した。 (2)農業教育資料の調査 中央大学図書館では『中央農事報』、『全国農事会史』などの農会関係資料を調査、複写した。東京都立大学図書館では、『明治前期産業発達史資料』、『明治後期産業発達史資料』より、農業関係資料を調査、複写した。 (3)観農政策関係資料の調査 明治前期の殖産興業政策の一環として各地に官営農場が開設された。今回は、兵庫県(播州)に設立された葡萄園について調査した。兵庫県稲美町の郷土資料館と、併設の「播州葡萄園歴史の館」に行き、発掘状況を調査し(現在は埋め戻されている)と、資料を購入した。名古屋の産業技術記念館では、臥雲辰致のガラ紡績の実演を見学し、今まで資料上では理解できなかった綿を入れる筒から糸を紡ぐ装置の構造を調査した。
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