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2004 年度 実績報告書

明末嘉興蔵の歴史学的基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 16520426
研究機関立正大学

研究代表者

野沢 佳美  立正大学, 文学部, 助教授 (80277748)

キーワード明末 / 嘉興蔵 / 施捨刊記 / 続蔵・又続蔵
研究概要

本研究の主たる目的は、明末(万暦年間以降)の江南地方で開板された大蔵経である嘉興蔵について、これを歴史学研究資料としてとらえる立場から、その有効利用を模索することにあり、嘉興蔵の基礎的な資料の収集とその整理をおこないつつ、その作業を通じて得た情報から、嘉興蔵を取り巻く諸問題の解明をおこなうことにある。
嘉興蔵は江戸時代のわが国にも多く舶載された大蔵経でその影響は多方面に及ぶ。しかしながらわが国をはじめ、中国においてすら嘉興蔵の資料整理や研究は意外と進展していないのが現状である。そこでまず、嘉興蔵の歴史学的基礎研究を展開するための準備として、嘉興蔵がいつ、どのように開板されたのか、いかなる人々がこれを指導したのか、またどのような人々の援助を得て完成されたのかといった基礎的情報を正確に収集・分析することが急務である。
本研究では初年度となる平成16年度において、およそ12000余巻に及ぶ嘉興蔵の各巻末ごとに添刻される「施捨刊記」のデータ(写真)蒐集に努めるべく、駒澤大学図書館・滋賀県近江八幡市称名寺の両所蔵本の刊記情報を入手し、順次データベース作成のための入力をおこない、3月初め現在、約2000件ほどの入力を済ませている。
刊記情報の収集・入力と平行して、今年度は日本各地に伝存する嘉興蔵の相互比較、とりわけ末部の「続蔵部」「又続蔵部」の比較検討を開始した。わが国に舶載された時期が異なる場合、続編に当たる「続蔵部」「又続蔵部」は各所の嘉興蔵ごとに配列や仏典に相違・出入が認められる。相互比較と出入状況の研究は、嘉興蔵の成立と変遷から見て重要な点であり、この研究成果は17年度に個別論文として発表する予定である。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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