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2004 年度 実績報告書

13世紀北シリアにおける地方史叙述とウラマー

研究課題

研究課題/領域番号 16520430
研究種目

基盤研究(C)

研究機関京都女子大学

研究代表者

谷口 淳一  京都女子大学, 文学部, 助教授 (90293844)

キーワード13世紀 / シリア / アレッポ / 歴史叙述 / 伝記 / 知識人
研究概要

(1)主たる研究対象である『アレッポ史の探究』の大部分は伝記集から成るため、まず先行研究や他の伝記集を参照しながら、アラブ=イスラーム文化における伝記叙述の歴史とその様式についての理解を深めた。その結果、アラビア語伝記文学の歴史を考える上で、イスラーム以前からの伝記叙述の伝統とイスラームの登場と普及に伴うハディース(宗教的伝承)学の影響との双方を考慮に入れなくてはならないことを確認した。また、前近代のアラビア語伝記文学における人物描写は、非常に類型的で人物の内面を描き出すことはまれであることも確認した。
(2)『アレッポ史の探究』のデータベース化の準備として、この書物の続編として執筆された中規模の地方史・伝記集であるイブン・ハティーブ・アンナースィリーヤ著『アレッポ史における選り抜きの真珠』を対象として、伝記項目となっている人物の名前に限って情報の抽出をおこなった。その結果、人物名に限っても、肩書きや説明的な文言の挿入などがデータベース化する際に問題になる等といった点が明らかになってきた。『アレッポ史における選り抜きの真珠』はいまだ校訂本が出版されておらず、写本の複写物を取り寄せて検討した。その作業の中で、特にオクスフォードのマートン・カレッジ図書館所蔵本(Ms.Codd.Or.XI-XIV)とパリのフランス国立図書館所蔵(Ms.Arabe 2139)の2点の写本を選んで比較検討した。その結果、前者は全4巻がすべて揃っているものの書写生のミスと思われる遺漏がかなり見られる写本であり、一方後者は、第3巻しか残っていないものの、著者の草稿と近い関係にある重要な写本であることが明らかになった。
(3)年度途中の採択であったため、以上のような予備的な研究を実施するにとどめた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] イブン・ハティーブ・アンナースィリーヤ著『アレッポ史における選り抜きの真珠』 -作品と写本-2005

    • 著者名/発表者名
      谷口淳一
    • 雑誌名

      京都女子大学大学院文学研究科研究紀要史学編 第4号

      ページ: 63-79

  • [図書] 記録と表象 史料が語るイスラーム世界2005

    • 著者名/発表者名
      林佳世子, 桝屋友子(編)
    • 総ページ数
      332(113-140)
    • 出版者
      東京大学出版会

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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