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2006 年度 実績報告書

ヨーロッパの中世の音風景

研究課題

研究課題/領域番号 16520434
研究機関東京大学

研究代表者

池上 俊一  東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (70159606)

キーワード音 / 中世
研究概要

本年度は、前年度までに計画・遂行された研究成果の総合をはかるべく、音をめぐる社会関係、権力関係についての解明を試みた。
具体的には、盛期中世のコミューン運動における鐘の役割、十字軍などの際の銀のラッパの合図、王権による鐘の没収、中世末の下層民反乱(フィレンツェのチョンピの乱など)での糾合の音、音のリレー、さらには王侯の入市式をはじめとする儀礼における楽師の音楽などにとりわけ注意を払って、それらに表れた社会関係ならびに支配・被支配関係を明らかにした。さらに、音を鳴らす専門家、すなわち鐘撞き、角笛吹き、ラッパ手、楽師についても、その地位、社会的位置を検討してみた。その結果、鐘撞きについては特定の「家系」が存在すること、またラッパ手をはじめとする楽師には、遍歴し差別される楽師と、都市や王室に雇われ、いわば高級役人のような立場に登りつめる楽師がいることが判明した。
3年にわたる研究の結果、ヨーロッパ文化を、文字どおり目に見えないところで規定していた深層の世界の重要な側面が解明され、ヨーロッパと日本やアジア、イスラム世界などとの、新たな比較史的研究への門戸を開く鍵をひとつ見っけたと言える。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] オランダ絵画の秘密2007

    • 著者名/発表者名
      池上俊一
    • 雑誌名

      UP(東京大学出版会) 412

      ページ: 35-40

  • [雑誌論文] 真実は外部から2006

    • 著者名/発表者名
      池上俊一
    • 雑誌名

      UP(東京大学出版会) 405

      ページ: 14-20

  • [図書] ヨーロッパ中世の宗教運動2007

    • 著者名/発表者名
      池上俊一
    • 総ページ数
      745
    • 出版者
      名古屋大学出版会

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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