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2004 年度 実績報告書

ミケーネ社会からポリス社会への構造転換に関する統合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16520438
研究機関名古屋大学

研究代表者

周藤 芳幸  名古屋大学, 文学研究科, 助教授 (70252202)

キーワードミケーネ文明 / ギリシア / 粘土板 / 線文字B / キプロス / リテラシー / アルファベット / 構造転換
研究概要

線文字B粘土板文書の分析と考古学的データの分析とを統合的に展開することによって、ミケーネ社会からポリス社会への構造転換の動態を明らかにするという本研究プロジェクトの主旨に即して、本年度は粘土板がミケーネ時代の宮殿においていかに機能していたのかという問題に中心的にとりくんだ。具体的には、葉状粘土板と頁状粘土板という外的形態の相違と、表意文字と表音文字の併用状況に着目することによって、粘土板の使用実態の背景には、これに関わる人々のリテラシーの問題が存在していたことを明らかにした。この研究成果については、まもなく公刊される予定の古代世界におけるリテラシーに関する論文集に公表する予定である。さらに、アルファベットの起源に関するウッダードの近著を参照することによって、あたかも完全に断絶しているように見える線文字Bとアルファベットとのあいだに、キプロス音節文学を介した連続性が存在した可能性を検討した。アルファベットが線文字Bに遡るギリシア語正書法の伝統を踏まえてキプロスで成立したことを主張するウッダードの研究は、アルファベットの起源問題にとどまることなく、本研究がその課題としているミケーネ社会からポリス社会への構造転換のプロセスの解明にも大きく関わってくることが明らかになった。また、これと並行して、ミケーネ時代から古典期にかけての遺跡に関する最新の考古学的情報をまとめて、共著書として刊行するとともに、本研究の課題をより大きな文脈に位置づけるために、新書の形で古代ギリシア史の諸問題を社会に問いかける試みも行った。

研究成果

(5件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Archaeology and Cultural Change in Early Hellenistic Middle Egypt2005

    • 著者名/発表者名
      Yoshiyuki SUTO
    • 雑誌名

      Journal of the School of Letters, Nagoya University 1

      ページ: 43-51

  • [雑誌論文] Local Epigraphic Habit and the Genesis of Monumental Inscriptions2005

    • 著者名/発表者名
      Yoshiyuki SUTO
    • 雑誌名

      SITES : International Conference Series 4

      ページ: 13-30

  • [雑誌論文] Social Context of an Architraval Inscription at Hermopolis2004

    • 著者名/発表者名
      Yoshiyuki SUTO
    • 雑誌名

      SITES : Journal of Studies for the Integrated Text Science 2

      ページ: 1-10

  • [図書] 物語 古代ギリシア人の歴史2004

    • 著者名/発表者名
      周藤 芳幸
    • 総ページ数
      283
    • 出版者
      光文社
  • [図書] 古代ギリシア遺跡事典2004

    • 著者名/発表者名
      周藤 芳幸, 澤田 典子
    • 総ページ数
      268
    • 出版者
      東京堂出版

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公開日: 2006-07-11   更新日: 2016-04-21  

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