研究課題/領域番号 |
16520465
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | 国学院大学 |
研究代表者 |
青木 豊 國學院大學, 文学部, 教授 (50150628)
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研究分担者 |
原田 一敏 東京国立博物館, 文化財部, 上席研究員 (20141989)
内川 隆志 國學院大學, 考古学史料館, 学芸員 (80176677)
松崎 相 國學院大學, 文学部, 助手 (90383992)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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キーワード | 和鏡 / 古代 / 中世 / 経塚 / 土壙墓 / 祭祀 / 修験 |
研究概要 |
本研究は、わが国における遺跡出土の和鏡(9世紀以降古代から中世に亙り国内で製作された鏡)を集成し、和鏡の型式変遷および精神文化における和鏡の位置付けを、総合的かつ詳細に分析することを目的とする。資料化した出土和鏡は約1000遺跡1700余面に至り、その情報はデータベースを構築し管理・活用に備えた。 近年の埋蔵文化財調査の増加に伴い、各地から和鏡が検出されているが、それらを集成した研究は未だなく、以下に示した観点から本集成的研究を完成させる意義は大きい。 第一に、紀年銘を有する和鏡以外に土器等の遺物と供伴する和鏡を加える点である。供伴遺物からの年代推定によって、和鏡の編年(型式変遷)および地域性に関する研究の充実を図ることができ、本資料集成は和鏡の成立・発展・変容を解明するための基礎的研究となる。また、その地域的相違や年代的差異のみならず、入手経路をはじめとする当時の政治・経済状況、あるいは各地域の社会状況を考察できる点を特質とする。 第二に、出土和鏡の遺存・出土状況等の分析から、古代・中世の精神文化における「鏡」の位相を明確にできる点である。和鏡は深い精神性を包含する遺物であり、日本人の宗教・信仰史を繙く重要資料である。その詳細な研究は学際的視点を特色とする祭祀考古学の立場からの充分な解明が必要で、山岳信仰・修験道等の関連遺跡、神道・仏教・陰陽道での受容・展開を考慮した研究の推進が求められる。その課程かで、周知の現象の歴史的背景についても究明できるだろう。また和鏡は、わが国金属工芸の中でも刀剣と双璧をなす質量を誇るにも関わらず、依然として充分に研究されていない。今回の集成から明らかにされる鏡背の文様構成、鏡制の型式変化等に関する情報は、宗教信仰史・金属工芸史など学際的研究を駆使する祭祀考古学にとっても重要な資料となろう。
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