研究課題/領域番号 |
16520469
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | 北陸学院短期大学 |
研究代表者 |
小林 正史 北陸学院短期大学, 教養学科, 教授 (50225538)
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研究分担者 |
久世 建二 金沢美術工芸大学, 美術工芸学部, 教授 (80177998)
北野 博司 東北芸術工科大学, 歴史遺産学科, 助教授 (20326755)
徳澤 啓一 岡山理科大学, 総合情報学部, 講師 (90388918)
長友 朋子 大手前大学, 史学研究所, 研究員
中村 大介 岡山大学, 埋蔵文化財研究調査室, 助手
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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キーワード | 黒斑 / 野焼き方法 / 道具としての土器 / 土器作り工程間の機能的関連 / 縄文土器 / 弥生土器 / 土師器 / ワークショップ(参加型・経験型の研究会) |
研究概要 |
本研究は「使い勝手(機能性・耐久性)とコスト(手間)のバランスからみた土器作り技術の研究」の方法を確立・普及させることを大きな目的とし、(1)縄文・弥生土器、土師器の焼成痕跡の詳細な観察・記録(後述するように、野焼き研究者を育成するためにワークショップ形式をとった)、(2)考古資料の焼成痕跡の観察視点を確立し、また、復元された野焼き方法の機能的意味を解明するための東南アジアの土器作り村の民族考古学的調査、(3)考古資料の黒斑パターンから野焼き方法を復元するための野焼き実験、(4)表面と断面の色調測定と彩色手法(黒色化とスリップ赤彩)の色調測定、などを行った。 ワークショップは2年間で大阪、吉備、加賀、岩手、熊本、韓国、長原韓式土器、新潟の8回開催した。ワークショップの最大の成果として、各地域において少数ながらも黒斑の記述に取り組む研究者が出てきたことがあげられる。各ワークショップでは、地元研究者有志によりレポートが作成され、成果報告書(様式C-18)の各節に掲載されている。このうち、岩手(須原ほか2005)と韓国(2005年11月のシンポジウムにおける発表資料集)では分析の概要が出版されている。これらの成果の一部は2005年11月に大手前大学で開催されたシンポジウムで公開されている。 弥生土器の野焼き方法については、弥生早期に「中期無文土器と共通性が強い、低密閉・薪多用型の覆い型野焼き」が採用された後、弥生前期、中期・後期へと高密閉・薪多用型(横倒しに置いた土器の周囲に多くの薪を配置し、薪に点火しやすいように覆いの密閉度は低め)から薪節約型(支え・寄り掛け・積み重ねなどにより接地面積を最小化することにより、接地面周囲の薪を少なくする)へと移行し、朝鮮半島の無文土器との違いが拡大したこと、などの点が明らかとなった。
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