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2006 年度 実績報告書

人の移動・流動からみた都市空間構造の動態モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 16520485
研究機関京都大学

研究代表者

杉浦 和子  京都大学, 文学研究科, 教授 (50155115)

キーワード重力モデル / ランダム運動 / シミュレーション / 移動距離 / 移動方向 / 行動の性差・世代差 / 福井市
研究概要

平成18年度は、空間固有の影響力と人間行動特性と都市構造を組み入れた都市空間構造モデルの検討を中心に研究を遂行した。とくに重力モデルとランダム運動の観点から、シミュレーション分析によって、人間行動のランダム性と非ランダム性を抽出することを試みた。これは、人間行動を純粋に物理的な分子運動と同一視しうる要素の有無あるいは程度を検討することでもあり、行動特性と空間特性の峻別を踏まえての相互関係を厳密化するアプローチの追求である。シミュレーション分析モデルによる研究と経験的データを用いた解析、さらにそれらの結果のつきあわせと検討を試みた。
シミュレーション分析では、一連の仮定条件を組み合わせたモデルを構築した。
(A)移動の行われる空間:一様連続平面(境界に囲まれた有限平面を想定)。(B)移動行動:任意の出発点から任意の着地点への任意の運動:移動前における移動主体(人間)の分布、各移動主体による移動するか否かの意志決定、移動する意志決定をした主体の移動先の選択、それぞれを任意とする。結果として観察される、(1)移動距離の頻度分布、(2)移動方向の頻度分布、(3)移動主体の分布(配置)パターン(移動した主体と移動しなかった主体の総体)の一般的特徴を明らかにする。(C)移動頻度:同一箇所への滞留時間の上限下限、および、累積移動回数の上限下限の有無ならびに数値設定を検討した(移動主体集団全体の移動性の想定と関わる)。個々の移動についての距離と方向、当初の発地から累積移動を経た後の最終的な移動距離と移動方向、一定時間間隔ごとの移動主体の分布パターンの推移をシミュレーションする。
経験的データを用いた分析では、平成16〜17年度の研究で用いた福井市の住民異動の個票(1998〜2001年度)の解析結果(男女別、年齢階級別)を検討し、発着地の人口規模が移動頻度に影響しているかどうかを吟味し、重力モデルの分解可能性を検討した。
それぞれの研究結果を論文にとりまとめているところである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 近現代期京都の富裕層と都市空間構造2007

    • 著者名/発表者名
      田中 和子
    • 雑誌名

      平安京-京都の都市図と都市構造(金田章裕編著)(京都大学出版会)

      ページ: 211-231

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 人口漸減都市における移動行動の男女差-福井市の住民異動届データを用いて-2007

    • 著者名/発表者名
      田中 和子
    • 雑誌名

      人口減少と地域-人口地理学からのアプローチ-(石川義孝編著)(京都大学出版会)

      ページ: 141-161

  • [雑誌論文] 平成16年7月福井豪雨による農地被害と復旧状況-南越・丹生地区における農業集落間の格差-2006

    • 著者名/発表者名
      田中 和子
    • 雑誌名

      日本海地域の自然と環境 13

      ページ: 29-54

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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