• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

地方圏におけるビジネスサービス企業の地域的展開とサービス取引

研究課題

研究課題/領域番号 16520489
研究機関福岡教育大学

研究代表者

石丸 哲史  福岡教育大学, 教育学部, 教授 (50223029)

キーワードサービス業 / ビジネスサービス / 経営コンサルタン / アメリカ合衆国:カナダ / 地方圏 / 地理学
研究概要

本年度の目的は,ビジネスサービスの成長と立地に関して日本の特徴を検討し,全国スケールの分析を行うことであった。本年度では,研究を行っていくうちにわが国の特殊性を明らかにする必要性が大きくなったため,文献サーベイと現地調査に重点をおいてその解明に傾注した。
文献サーベイによって,欧米の地方圏では大都市圏との差異が存在し,マーケットの未成熟や大都市圏大手企業からの域外支配がみられるなど,大都市圏とのコントラストが明らかになったが,地域によって異なるマーケットの性格がビジネスサービス業の活動にかなりのバリエーションを与えていることが考えられた。
現地調査では,カナダ・レジャイナとアメリカ合衆国・オクラホマシティを対象として経営コンサルタント業の立地点の調査とアンケートによって企業活動を調査した。立地点に関する調査によって,ビジネスサービス企業は都心部だけでなく都心縁辺から郊外へ至る各所に立地しており,レジャイナ郊外ではSOHO化した個人事業主が多く認められた。わが国ではビジネスサービス業の立地は都心にかなり限定され,それは都心のプレステージを重視するものであることがすでに明らかにされている(石丸,2000)が,アクセシビリティ,プレステージにも乏しい都心以外の立地でも活動が成立していることは重要な知見であった。同時に地方圏における経営コンサルタント業においては大都市圏の域外支配,顧客のサービスに関する認識不足は存在するものの,SOHO化した個人企業でも存立基盤は確立していることがアンケート調査から明らかになった。
一方,日本全国スケールの分析によって,ビジネスサービスの成立が大都市圏から地方圏への階層的拡散パターンを示す地域的展開が認められた。
以上の実証結果で得られたわが国の特徴は,マーケットの性格の差異からくるものと推察され,来年度以降の需要側と供給側を対象とした研究推進へ貢献する成果が得られた。

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi