本年度は、前年度に実施したダム関係資料の収集調査の補充を行いながら、五木村の村落生活や民俗に関する調査を、次のように実施した。 1.資料調査及び文献収集 (1)川辺川ダム及び球磨地方郷土史関係資料を調査・収集(平成17年9月14〜16日、熊本県立図書館)し、五木村の村落史の理解を深めた。 (2)ダム建設及び村落再編に関する研究文献を随時収集し、研究視点の深化を図った。 2.五木村における現地調査 (1)平成17年9月21〜23日、平成18年3月8〜11日の2回実施した。 (2)頭地代替地に移転した住民を対象に、新たな村落組織の再編状況について聞書き調査を実施した。 (3)水没対象地域内に所在する文化財、村落共有施設(堂など)の移転・維持状況の実態調査を行うとともに、関係者から問題点等について話を聞いた。 3.調査結果の入力・整理 (1)作業補助者1名の協力(10月21日〜12月22日)を得て、得られた資料(写真・文書等)を整理しパソコンに入力した。 (2)上記のデータも含めて、本年度の調査成果を分析し、最終年度である来年度の課題を整理した。 4.本年度のまとめと来年度の課題 (1)本年度は、頭地代替地に移転した住民の生活状況を中心に調査を進め、その成果の一部を論文(平成18年度発行予定)に取り上げた。 (2)来年度は、川辺川ダム建設計画発表後における水没対象村落の再編過程を編年的に整理したうえで、水没対象集落と非水没対象集落における村落生活の変容の差違を検討し、ダム建設計画が村落生活に与えた影響を抽出し、報告書にまとめる。
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