最終年度である18年度は、研究成果を報告書にまとめることを目標に、次のように実施した。 1.川辺川ダム関係行政資料の補充的収集調査 (1)五木村役場・頭地資料館やませみにおいて、調査・収集(平成18年12月5〜6日)した。 (2)熊本県庁及び熊本県立図書館において、調査・収集(平成19年2月25〜27日)した。 2.五木村における現地調査 (1)平成18年9月3〜6日、平成18年9月29〜10月2日の2回実施した。 (2)ダム計画に伴う村落再編が非水没地帯に与えた影響について聞書き調査をした。 (3)最大の代替地である頭地代替地における村落生活再編に伴う民俗変容の状況について調査をした。 3.調査結果の整理・入力 ・作業補助者1名の協力(12月1日〜1月31日)を得て、従来のデータの修正・補正を中心に報告書収録予定資料の整備をした。 4.研究成果の発表 (1)「山村民俗の変容と現在」(『季刊東北学』第7号、2006年4月、東北芸術工科大学東北文化研究センター発行)に成果の一部を論文にまとめて公表した。 (2)五木村の要請により 「村づくりと民俗文化財」と題した講演を行い(平成18年9月5日、於:五木村役場)、研究成果の一部を発表した。 (3)平成18年10月15日、第58回日本民俗学会年会(於:山形大学小白川キャンパス)において、「村落再編と民俗-川辺川ダム建設計画を例に-」と題して口頭発表を行なった。 5. 3年間の研究のまとめ (1)研究成果報告書(冊子)をまとめて刊行した。 (2)川辺川ダム計画の経緯と五木村の村落再編過程と民俗変容の状況を踏まえ、研究の結諭として、大規模開発計画には住民の心情と事情への配慮が欠かせず重要であることを提示した。
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