平成16年度では、アルフレッド・レイによるサガラ語に関する研究の資料批判を現地調査協力者とともに進めた。とくに表記法・名詞・形容詞・数詞・代名詞を中心に以下のスケジュールでおこなった。タイタ語の文法構造に関する資料は、これまでの研究を通じて相当量の収集ができているが、最終的にはネイティヴ・スピーカーによるチェックが不可欠であることから、夏期休暇と年度末を利用してケニア国を訪問し、タイタ語のネイティヴ・スピーカーと面接調査をおこなった。 I.平成16年4月〜8月 タイタ語の表記法と名詞クラスについて。レイの研究、および、スワヒリ語の概説書等を参照しながらタイタ語文法を英語で表記する作業を進めた。 II.平成16年8月16日〜9月4日 ケニアでの調査研究。現地調査協力者とともに表記法と名詞クラスに関する検討をおこなった。 III.平成16年9月〜2005年3月 タイタ語の形容詞・数詞・代名詞について。レイの研究、および、スワヒリ語の概説書等を参考にしながらタイタ語文法を英語で表記する作業を進めた。 IV.平成17年3月8日〜16日 ケニアでの調査研究。現地調査協力者とともに形容詞・数詞・代名詞に関する検討をおこなった。 今年度の研究においては、とくにタイタ語の名詞クラスをほぼ確定することができたことが、タイタ語の文法の基礎を固めることができたという点、及び、隣接したバントゥ系の他の言語との比較可能性という点から有効であったと考えられる。それに伴い、代名詞についても研究を進めることができた。また、表記法に関しては、これまでにタイタ語で書かれた文献等を中心に研究を進めたが、発音との関連をさらに詰める必要があることから、継続して研究を進めていくこととする。
|