本年度は、沖縄県読谷村における戦争証言に関してフィールドワークを実施し、その記録とデータベース化を実施した。まず、平成17年5月、6月において、沖縄戦に関する著作のデータベース化と資料収集を実施した。また6月には沖縄県那覇市において、沖縄で戦争証言の記録を実施している「琉球弧を記録する会」とともに「方言において戦争証言を記録する意味」に関しての公開シンポジュウムを開催し記録した。 平成7年8月から9月にかけては、沖縄県読谷村を中心に戦争の記憶に関する聞き取り調査、文献収集を実施した。とりわけ9月には、読谷村楚辺地区・波平地区、喜名地区において全戸調査を実施し戦争体験を中心としたライフヒストリーの聞き取り調査を実施した。これらの地区は戦前、戦後を通してハワイ移民を多く出した地域であり、移民を出した諸条件の調査も実施した。移民を出した側である沖縄県読谷村の調査では、その後の社会構造とりわけ米軍基地化による村落の変容等も分析対象となった。10月以降は、これらの調査資料の整理・テープおこし・デーベース化を実施している。次年度にむけて必要な作業は、昨年実施したハワイ移民の聞き取り調査との比較検討である。
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