研究課題/領域番号 |
16530004
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
國谷 知史 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (90234468)
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研究分担者 |
南方 暁 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (70125805)
岡 綾子 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 助手 (50203956)
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キーワード | 中国家族法 / 家庭内紛争 / 紛争解決・処理 / 中国の裁判離婚 / 離婚原因 |
研究概要 |
本年度は、家庭内紛争解決・処理の組織・手続に関する文献資料の調査・収集・整理をおこなう一方、研究の各論部分として対象範囲と分析視角をより具体的に仮設して研究を進めた。 資料については、前年度から継続して家族に関する法令(司法解釈を含む)のリスト作成、裁判例(案例)の収集とリスト作成、論文の収集とリスト作成をおこなった。 具体的な研究については、海外共同研究者からの意見を参考にしながら、離婚とりわけ裁判離婚の法定離婚原因に関する問題から分析を進めていくこととした。その成果は、平成17年12月12日の研究会「離婚に伴う諸問題-日本と中国における法的対応-」(於:新潟大学大学院実務法学研究科)で次のとおりに発表された。 (1)馬憶南・北京大学法学院教授は、「中国法における裁判離婚の離婚原因の理論と実践」と題する報告をおこない、中国の離婚観・離婚法・離婚率の変遷、裁判離婚原因をめぐる論争、条文に例示された離婚原因と裁判実務とのくいちがい、について発表した。 (2)南方暁は、「日本における離婚原因に関する論点について」と題する報告で、日本の離婚観・離婚率・離婚制度の特色、破綻主義離婚制度の意味、などについて発表した。 (3)羅勝華・中国国家法官学院講師は、「法定離婚原因の変遷と国家強制-新中国における法定離婚原因の変遷を中心に-」と題する報告をおこない、中国法定離婚原因の変遷とその背景・理由について発表した。 また、上記2人の海外共同研究者とともに、新潟家庭裁判所を参観し、離婚訴訟を傍聴した上で、判事等から事情を聴取し、日本の家庭内紛争についての実態、法意識・家族観、紛争処理に際しての留意点、組織的対応等を実務の面において調査した。そして調査を踏まえて海外共同研究者と意見交換をおこない、今後の研究を裁判所における紛争解決・処理の組織と実態に焦点を当てて進めていくこととした。
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