• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

ドイツ・ナチズム期におけるユダヤ人立法の法史的・法思想史的要因の研究

研究課題

研究課題/領域番号 16530009
研究機関奈良教育大学

研究代表者

佐野 誠  奈良教育大学, 教育学部, 教授 (90202100)

キーワード人権 / 基本権 / ナチズム / ユダヤ人問題 / 反ユダヤ主義 / カール・シュミット / ナチズムの法史 / ニュルンベルグ法
研究概要

本年度に得られた成果は以下のとおりである。
1.ナチズム期のユダヤ人立法を考えるうえでの基礎作業となる。人権および基本権の概念史的差異についての知見が得られたこと。特に、ナチズムを分析するにあたっては、前国家的・超国家的権利としての「人権」(Menschenrechte)と後国家的な権利としての「基本権」(Grundrechte)という分類の仕方が説得的であること。
2.ナチズム期の立法作業においては、前国家的・超国家的な権利としての人権、とりわけ信教の自由、表現の自由、言論の自由といった国家と個人間を規定する権利が完全に排除されたこと。
3.後国家的権利としての基本権、とりわけ公民権、市民権、参政権については、国家とドイツ民族間を規定するものとして存在したが、これもナチスに都合のよい規定に限定されたこと。
4.信教の自由や言論の自由という第一次的・生得的な人権観念がドイツでは十分に成熟せず、それが結果的にニュルンベルグ法(1935年)を頂点とするユダヤ人抑圧立法に結びついたこと。
5.ナチスの反ユダヤ主義およびユダヤ人抑圧政策に抵抗する勢力もナチズム期には存在したが、これらの抵抗勢力の主たるメンバーもナチズム期の立法に基づいて逮捕・拘禁・処罰の対象となったこと。
6.したがって第三帝国すなわちナチス国家といえども形式的には立法国家・法治国家であり、ここでは立法国家・法治国家の内実を「正義」の観点から問い直す必要があること。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] マックス・ヴェーバーとカール・シュミットの思想史的差異-特にユダヤ人観と人権をめぐって-2005

    • 著者名/発表者名
      佐野 誠
    • 雑誌名

      比較法史研究(比較法史学会・未來社) 13号(発表予定)

  • [図書] 政治概念の歴史的展開(古賀敬太 編著)2004

    • 著者名/発表者名
      佐野 誠(共著)
    • 総ページ数
      264
    • 出版者
      晃洋書房

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi