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2005 年度 実績報告書

ドイツ・ナチズム期におけるユダヤ人立法の法史的・法思想史的要因の研究

研究課題

研究課題/領域番号 16530009
研究機関奈良教育大学

研究代表者

佐野 誠  奈良教育大学, 教育学部, 教授 (90202100)

キーワードユダヤ人 / 公民 / 市民 / ナチズム / ニュルンベルク法 / イェリネック / フランス人権宣言 / 信教・良心の自由
研究概要

研究実績の概要は以下のとおりである。
1.1935年のニュルンベルク法のなかのユダヤ人排斥立法「公民法」で用いられた公民(Reichsburger)とヴァイマール憲法で用いられた公民(Staatsburger)の思想史的系譜を探ったこと。
2.Staatsburgerは、1789年のフランス革命時に制定された「人(homme)および市民(citoyen)の権利宣言」(人権宣言)のシトワイアン(citoyen)にあたる用語であり、オム(homme、Menschen)とは異なる概念であること。
3.ナチスは、この抽象的な人権(Menschenrechte)と具体的な公民権(Staatsburgerrechte)とを区別したうえで、さらにユダヤ人の公民権を剥奪するために神聖ローマ帝国に起源のあるReichsburgerという概念を採用したこと。
4.したがって公民Reichesburgerには、1935年まで公民権(Staatsburgerrechte)を有したユダヤ人は入らないこと。
5.ナチス時代のユダヤ人抑圧立法の視角から眺めると、ゲオルク・イェリネックの『人および市民Burgerの権利宣言』という表題についても再考すべきであること。すなわち『人および公民Staatsburgerの権利宣言』と表記することも可能であること。
6.こういった観点から、イェリネックによってフランス「人権宣言」の起源とされたアメリカ植民地時代(特に17世紀)の人権、とりわけ信教・良心の自由の成立史を探る必要性に導かれたこと。またBurgerとStaatsburgerの概念史的相違についても引き続き探求することが必要であること。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] マックス・ヴェーバーとカール・シュミットの思想史的差異-特にユダヤ人観と人権をめぐって-2005

    • 著者名/発表者名
      佐野誠
    • 雑誌名

      比較法史研究(比較法史学会・未來社) 13号

      ページ: 231-255

  • [雑誌論文] 国家とキリスト教の相克2005

    • 著者名/発表者名
      佐野誠
    • 雑誌名

      創文 476号

      ページ: 23-26

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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