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2006 年度 研究成果報告書概要

<大きな司法>に向けての法曹像の憲法学的再構築

研究課題

研究課題/領域番号 16530015
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 公法学
研究機関東北大学

研究代表者

山元 一  東北大学, 大学院・法学研究科, 教授 (10222382)

研究期間 (年度) 2004 – 2006
キーワードフランス / 司法権 / 裁判 / 組合 / グローバリゼーション / 法曹 / 裁判官 / 憲法
研究概要

フランスにおける裁判権は,日本の司法権とは異なるひとつの<観念上の産物>であって,様々な裁判作用と観念される諸機関の活動が積算されたものにすぎないが,そうであるがゆえに,裁判権について考える際の自由度が高い。しかも,フランスでは,裁判官の組合活動が行われており,事の性質上,裁判官の職業的利益や政治問題に対する対応を社会に向かって訴えるものである。さかのぼれば,フランスの司法官の世界においては,激しい政治的介入が歴史的に続けられ,公然と司法上層部の政治的な任用が行われてきた。このような状況において,裁判官組合の存在は,そのようなあり方のパワー・バランスを取るものとして,重要な役割をはたしてきたものと思われる。このようなそれぞれに特徴をもった日仏の裁判権・司法権のあり方であるが,市民社会の側の要求の一般的増大,行政権の肥大化に対する反発,被害者の地位や救済に対穿る注目をはじめとする感受憐の変化,戦争時における犠牲など政治問題や社会問題に対する裁判権による解決への期待の増大等先進諸国に共通する諸課題への対応を迫られる中で,日仏両国の状況も変化しつつある。一方のフランスでは,グローバリゼーションの進展の中で,EUレベルをはじめとする一国を越える裁判官の相互協力関係の進展の中で,きわめて多様な社会的ニーズの受け皿としての機能を積極的に受け入れてきている。日本は,フランズをはじめとして様々な国のありかたに謙虚に学びながら,この国に根深い裁判の担い手についての<均質性のドグマ>,そしてそれを支える官僚統制を打破するために,豊かな個性と高いクオリティーを併せ持った裁判,そして法曹一般をどのように構想し,そして育成しているかが,問われ続けていかなければならない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2007 2004

すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Hajime Yamamoto, Introduction : Jurisdictional power in public sphere2007

    • 著者名/発表者名
      Hajime Yamamoto
    • 雑誌名

      Jurisdictional power in public sphere, Yshindo

      ページ: 5-27

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] 責任と統治の主体としての裁判官-最近のフランスにおける裁判権をめぐる議論について-(2・完)2004

    • 著者名/発表者名
      山元 一
    • 雑誌名

      法学 68

      ページ: 203-229

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Hajime Yamamoto, Judges as subject of responsibility and government, No 22004

    • 著者名/発表者名
      Hajime Yamamoto
    • 雑誌名

      Hogaku No.68

      ページ: 203-229

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] Hajime Yamamoto, A reflection on the corps as judicial power2004

    • 著者名/発表者名
      Hajime Yamamoto
    • 雑誌名

      Kenpo Ronshu, Sobunsha

      ページ: 249-285

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [図書] 「解題:公共空間における裁判権」日仏公法セミナー編『公共空間における裁判権-フランスのまなざし-』(有信堂, 2007年)2007

    • 著者名/発表者名
      山元 一, 他16名
    • 総ページ数
      315
    • 出版者
      有信堂
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [図書] 「『コオルとしての司法』をめぐる一考察」藤田宙靖=高橋和之編『〔樋口陽一先生古稀記念〕憲法論集』2004

    • 著者名/発表者名
      山元 一, 他25名
    • 総ページ数
      820
    • 出版者
      創文社
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2010-02-04  

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