研究課題/領域番号 |
16530037
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
野田 進 九州大学, 大学院・法学研究院, 教授 (90144419)
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研究分担者 |
山下 昇 久留米大学, 法学部, 助教授 (60352118)
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キーワード | 中国 / 労働法 / グローバリゼーション / 市場経済 / 労働契約 / 民主管理制度 / 雇用保障 / 法定労働条件 |
研究概要 |
本研究は、日本及び中国の労働法研究者が、意見交換を通じた研究により、市場経済化とグローバル化のただ中にある中国労働法の全体像について体系的・総合的に解明することを目的とし、それらを通じて、日中両国の研究者の共同研究・共同執筆により、「中国労働法」に関する体系書の執筆および出版を計画するものである。 初年度に当たる平成16年度は、本研究の基盤となる中国労働法の整理分析の枠組・体系を確定することが課題であった。具体的には、それぞれの分担に応じて各分担者等が基礎的な調査研究を行い、問題点の洗い出しを行うこととした。このために、研究代表者・野田、研究協力者・山下らが、日本において3回の研究会をもって共同討議を行った。 そのうえで、平成16年9月16日より同月23日にかけて中国での調査研究を挙行し、海外共同研究者である、常凱(中国人民大学教授)、彭光華(同助教授)とともに研究会を組織して本格的な分析作業を行った。加えて、関連の専門家とのディスカッションや現地企業の人事担当者へのヒアリング調査を実施した。具体的には、北京市では国有企業である銅牛(繊維産業)、大連市においては外資系非国有企業であるキャノン大連Business Machines、およびデル・インターナショナル・サービスにおける雇用・労働問題の実情を、実地に調査した。さらに、湖南大學・王全興教授など多くの有力研究者と意見交換の機会をもつことができた。 これらにより、とくに今年度では、基礎理論の枠組みの確定に複眼的な取り組みを行うことができた。すなわち、「グローバル化のなかの中国労働法」という観点から、中国労働法の展開をグローバルな視点から把握するとともに、「中国労働法のなかのグローバル化」という視点から、今日の中国法の中で労働法がどのような位置を占めるかが主要な検討課題となった。
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