研究分担者 |
川出 敏裕 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 助教授 (80214592)
笹倉 宏紀 千葉大学, 法経学部, 助教授 (00313057)
井上 和治 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 助手 (20345250)
大西 紘人 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 助手 (40345252)
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研究概要 |
本研究の目的は,憲法上及び刑事手続法上枢要な基本権とされてきながら,その存在理由や射程について本格的な検討・解明がなされてはいない黙秘権(自己負罪拒否特権)について,歴史的沿革や諸外国での議論を踏まえつつ,理論的分析を加えることにより,根本に立ち返った再検討を行い,法解釈論,立法論の両面にわたり,それに関係するさまざまな問題点の解明につなげようとするところにあるが,本年度は,そのための基礎的作業として,諸外国(特にアメリカ,イギリス,ドイツ及びフランス)の法制とその問題状況に関する資料文献その他の情報を網羅的に収集し,これを整理・分析する作業を行った.また,黙秘権(自己負罪拒否特権)の歴史的発展の過程を,最新の文献を手がかりに綿密に辿った.そして,これらに併行して,全員で討議を重ね,問題点を抽出ないし再確認し,それぞれの解決の方向を模索した.奥が深く,かつ広範な広がりを持つ問題領域であるため,まだ研究のごく基礎的な作業を行った段階であり,前途は遼遠であるが,地道にこれらの作業を積み重ねていくほかはなく,それがやがては必ず問題解決の道筋の究明につながると考えている.
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