研究課題
基盤研究(C)
刑事手続における少年の手続参加の保障について分析・検討を深めるため、少年審判における少年の手続参加の問題をも含め、第1に、少年審判への被害者の出席が少年の手続参加の保障にどのような影響を与えるか検討したうえで、それが裁判所の個別具体的許可によって、少年の手続参加を妨げることなく、少年の同意があり、被害者を傷つける見込みもない場合にのみ認められるべきことを明らかにした。第2に、少年の手続参加を実質化すべく、少年と裁判官とのコミュニケーションを適正化するために、裁判官が特別なコミュニケーション・スキルを身につけ、少年との信頼関係を形成しなければならないことを明らかにした。第3に、国際人権法上、少年の手続参加の保障が公正な裁判の本質的要素として保障されることを明らかにし、そのために少年審判、少年の刑事手続において、少年の理解と参加を促進するための特別措置が講じられなければならず、検察官の関与する対審手続は少年の手続参加との本質的矛盾をはらむことを明らかにした。第4に、法的援助の保障が、少年の手続参加を確保するために不可欠であることを示したうえで、少年弁護がどのような機能を担うべきか明らかにした。第5に、法的援助に支えられた少年の手続参加が、少年の主体性の確保に繋がることを示し、そのことが現在進行しつつある厳罰化サイクルを切断するために必要とされることを論じた。第6に、本研究の成果と、先行する平成13-15年度の科研費(基盤C)研究の成果とをまとめて、2008年度、少年の手続参加という視点から再構成したうえで、単著書『少年司法における自己決定と手続参加』として出版する準備を進めた。
すべて 2007 2006 2005
すべて 雑誌論文 (11件)
自由と正義 58巻3号
ページ: 12-21
Jiyu-To-Seigi vol. 58, no. 3
全件付添人制度の実証的研究(商事法務)(福岡県弁護士会子どもの権利委員会編)
ページ: 278-371
講座・国際人権法(第2巻)-国際人権規範の形成と展開(芹田健太郎他代表編集)(信山社)
ページ: 162-191
法律時報 78巻12号
ページ: 44-49
法律時報 78巻4号
ページ: 66-71
Empirical Study of Legal Assistance for All Juveniles' Detained Cases (The Committee on Children's Rights of Fukuoka Bar Association (ed.))( Shoji-Home)
The Formation and Development of International Human Rights Law (Kentaro SERITA et al. (eds)) (Shinzan-Sha)
Horitsu-Jiho vol. 78, no. 12
Horitsu-Jiho vol. 78, no. 4
法学セミナー 607号
ページ: 53-57