本研究は、市民レベルで行われている「生活のための制度を創る」試みをとりあげて、その実態を明らかにするとともに、その技法・その理念について検討を加えるものである。初年度は関連文献の収集・分析とケーススタディのための現地調査を行った。その際の対象は、(1)育児(共同子育て)・(2)住居(新しいハウジング)・(3)環境(共用自転車)・(4)消費(地域通貨)としたが、それぞれにつき一定の情報を得ることができた。現在、検討結果をまとめたレポートを『生活のための制度を創る--シビル・ロー・エンジニアリングにむけて』という表題で公刊する準備をしているが、研究途中で副産物として産まれた論文が「成年後見と介護契約」であり、(5)介護を対象に共通のアプローチで検討を行った。次年度は、上記レポートを公刊の上、新たに具体的な問題をとりあげて、より立ち入った分析を行う準備をしたい。
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