研究課題/領域番号 |
16530067
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
中田 邦博 龍谷大学, 法学部, 教授 (00222414)
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研究分担者 |
萩屋 昌志 龍谷大学, 法学部, 教授 (90228388)
名津井 吉裕 龍谷大学, 法学部, 助教授 (10340499)
若林 三奈 龍谷大学, 法学部, 助教授 (00309048)
高嶌 英弘 京都産業大学, 法科大学院, 教授 (70216646)
角田 美穂子 横浜国立大学, 国際社会科学研究科, 助教授 (10316903)
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キーワード | 不正競争防止法 / EU法 / 消費者保護 / EU指令 / UWG / 広告規制 / 団体訴権 / 利得剥奪請求権 |
研究概要 |
平成16年(2004年)度においては、「広告規制の総合的な研究」を推進するため、年次研究計画を着実に遂行することに努め、それに従って各国法制についての比較法的検討作業を進めた。 具体的には、研究代表者でもある中田が、ドイツ・マックスプランク研究所(ハンブルグ)において研究作業を行うとともに、ドイツを中心に文献、雑誌、データベースを収集し、基礎的な資料収集を遂行した。他の研究員も割当作業を遂行した。また、ドイツの知的財産権法の年次学会(GRUR)に中田が参加し、各国の研究者との交流を行った。とくに、ドイツ司法省大臣の講演や、アーレンス教授が司会を務めたシンポジュウムにおいては、UWG改正の背景が実際に語られており、きわめて興味深いものであった。また、その際に、第一人者であるコーラー教授、オーリィー教授らと本研究について意見を交換したことも有益であった ヨーロッパレベルでの広告規制の要ともなる不正競争防止法の改正について、ドイツにおいては、昨年、同法の大規模な改正が行われたことに鑑み、その成立過程、背景、具体的な内容、将来的な方向性、EU法(指令)との関係について詳しく分析することとした。 そうした作業の一部については、中田が「ドイツ不正競争防止法の新たな展開-新UWGについて」と題して立命館法学で発表したものがある。そこでは、結論的には、不正競争防止法の改革として制定された新UWGはドイツ国内のみならず、EUの域内市場の一部としてのドイツ市場の自由化をさらに促進するものとなることを確認した。他方で、判例法の立法化、消費者団体訴権の強化、利得剥奪請求権の導入など、不正競争防止の実効化に一定の手当がなされていることを確認し、これらにおいて日本法への示唆を得ることができるとの指摘を行った。また、角田は、新UWGと消費者保護との関係について研究作業を遂行し、新法の翻訳作業を行った。これらは、近いうちに公表することを予定している。また、日本法との関連では萩屋が仮処分についての論文を公表した。 なお、研究会および研究打合会について定期的に行うように努めた。年度の終わりには、締めくくりとして、中田と角田が研究報告を行い、来年度以降の計画についての打ち合わせも行った。
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