研究概要 |
2004年 共同研究を始めるにあたって、研究代表者と研究分担者および研究協力者のそれまでの蓄積を紹介し合って、EU,トルコ、加盟国ドイツの多層的関係を確認する。ドイツとトルコの長期的かつ安定的関係に対して、EUとトルコの関係は国際政治の状況に影響を受けていることを、2回の研究会で確認する。 2005年 政治家、役人等の計20名にインタヴューを行う。トルコを直接には研究対象にしていない研究代表者と分担者にとっては、トルコ側からのEUの役割への期待と理解は新鮮であった。ヨーロッパ地域の安定に対するトルコの有意性の自己認識とEUのあいまいなトルコへのアプローチに対する苛立ちは、トルコ国内で一様に耳にすることになった。同時に、EU加盟条件の整備は、トルコが必要としている国内改革を促進するという評価も一様であった。 2006年 これまでの2年半の現実の政治の動きに照らしながら、EU加盟へむけてのトルコ国内の変革、トルコを加盟候補国とする決定と諸問題およびヨーロッパの地域的安定へのインパクト、加盟国としてのドイツのEU政策とトルコ政策を報告の主題においた公開シンポジウムを11月に開催した。フロアーからの多くの質問とともに、明らかになったのは、トルコ国内の改革の進展は顕著であるが、EU加盟国間のトルコ加盟に対する政策の相違が、EUとトルコとの関係の進展にみられる阻害要因の克撮を困難にしている面があるということである。当シンポジウムにいたるまでの共同研究の成果は、本として(2007年10月頃)出版する予定である。
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