平成16年度は、2度フィンランドでの調査を行った。一回目は、8-9月にかけてフィンランドを訪問し、フィンランド自治体協会の専門家、内務省の自治体行政担当者と面会し、聞き取り調査を行い、国会図書館、大学図書館、自治体協会図書館で資料の収集を行った。現場調査としては、南部フィンランドのハウスヤルビ町など4自治体で行われている自治体組合の歴史、現状について、町村合併の可能性も含めて調査を行った。一方、中部フィンランドのペラセイナヨキ町において、2006年度1月1日から施行される同町とセイナヨキ市との合併について、当初参加していた他の複数自治体が抜けていく中で、どのような条件で2自治体の合併が成立したのかを首長から聞き取り調査を行った。 二回目は、平成17年3月に1週間の予定で、ヘルシンキ市で研修を行い、自治体協会、国会図書館で調査を行った。 フィンランドでは1993年の地方分権改革により、地方自治が強化され、国の指導監督は緩和された。したがって、合併について国は強制的措置をとることができない。しかし財政力格差によるサービスの格差は問題になっており、そのための解決策として、半世紀以上の伝統のある自治体組合の結成、運営にかかわる規則を1995年より緩和し、自治体が自由に組合を結成し、サービスを行うようになっている。平成17年度は自治体組合の運営と可能性についての研究を深め、成果を公表する。
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